犬にも人と同じように性格の違いがあり、中にはとても怖がりな性格の子もいます。
「ちょっとした音にビクッと反応する」「他の犬に近づけない」「知らない人に極度に怯える」
そんな愛犬の様子を見ると、飼い主さんも心配になりますよね。
この記事では、怖がりな犬の原因と、改善するための具体的なステップを詳しく解説していきます。
愛犬の性格を理解し、ゆっくりサポートしていきましょう！
怖がりな犬が生まれる原因とは？
まずは、なぜ犬が怖がりになるのか、その主な原因を見ていきましょう。
1. 社会化不足
犬の性格形成において特に大事なのが、生後3週間〜12週間ごろの「社会化期」です。
この時期にいろいろな人、犬、音、物などに触れ合う経験を積めないと、成犬になったときに見知らぬものへの恐怖心が強くなります。
例えば、あまり外出しなかった、他の犬と遊ばなかった、人間以外との接触が少なかった、などが原因となることがあります。
2. トラウマ体験
過去に怖い思いをした経験がトラウマになり、似た状況を極度に怖がるようになる場合もあります。
例：
- 散歩中に大きな音に驚いた
- 他の犬に噛まれた
- 飼い主以外の人に乱暴に扱われた
3. 遺伝的な性格
生まれつき慎重で繊細な性格の犬もいます。
特に一部の犬種（シェルティ、イタリアングレーハウンド、ボーダーコリーなど）は、遺伝的に神経質な傾向があると言われています。
4. 飼い主の影響
飼い主が常に不安そうな態度を取ったり、犬が怖がったときに過剰に反応すると、犬は「やっぱりこれは怖いことなんだ！」と学習してしまうこともあります。
怖がり症を改善するための基本戦略
怖がりな犬を無理に慣れさせようとすると逆効果です。
ポイントは「焦らないこと」「ポジティブな経験を積み重ねること」です。
以下のステップで、段階的に自信をつけさせましょう。
ステップ1：安心できる場所を作る
まずは犬にとって絶対に安心できるスペースを確保しましょう。
ケージ、クレート、静かな部屋など、「ここにいれば大丈夫」と思える場所を用意してあげます。
ここが、犬にとって心の拠り所になります。
ステップ2：小さな成功体験を積み重ねる
怖がる対象をいきなり克服させようとせず、「ちょっとだけ近づけたらおやつ」「音がしても落ち着いていられたら褒める」など、小さな成功を積み重ねましょう。
例：
- 他の犬が50m先に見える場所でおやつをあげる
- 雷の音が遠くで聞こえたときに、楽しい遊びをする
犬に「怖いことが起きた＝いいことが起きた」という新しいイメージをつけていきます。
ステップ3：距離・強度をコントロールする
刺激の強さ（距離、音量、人の接触など）を調整しながら、犬がリラックスできる範囲で徐々に慣らします。
重要なのは、犬のサイン（耳を伏せる、尻尾を巻く、後ずさりするなど）をよく観察し、
「まだ怖い」と感じたら無理に進めないことです。
ステップ4：飼い主の態度を落ち着かせる
怖がっている犬を「どうしよう！」と焦ってなだめると、かえって犬の不安を煽ってしまうことがあります。
飼い主は、常に「大丈夫だよ」「楽しいよ」という雰囲気を作りましょう。
自然な笑顔と落ち着いた声が、犬にとって大きな安心材料になります。
ステップ5：専門家にサポートしてもらう
場合によっては、ドッグトレーナーや獣医行動診療科（行動学専門医）に相談するのも効果的です。
プロのアドバイスを受けながら進めると、改善までのスピードも早くなります。
やってはいけないNG行動
怖がる犬に対してやってしまいがちなNG行動も紹介します。
- 怖がる対象に無理やり近づける
- 怖がっているのに叱る
- 罰を与える
- 怖がる様子を面白がる・からかう
これらは、犬の恐怖心をさらに悪化させ、場合によっては攻撃行動につながることもあるため絶対に避けましょう。
怖がり症改善に成功した例
ある保護犬（トイプードル・2歳）は、引き取られた当初、外の音に非常に怯えていました。
飼い主さんは、静かな公園を選んで散歩をスタートし、毎日「音がしたらおやつ」を繰り返すことで、
半年後には落ち着いて散歩できるようになりました。
ポイントは「無理をしない」「毎日コツコツ続けた」ことです。
まとめ
怖がりな犬の性格を変えるには、時間がかかります。
しかし、犬のペースに合わせて「小さな成功体験」を積み重ねていけば、
怖かった世界が少しずつ「楽しい世界」へと変わっていきます。
焦らず、愛犬を信じて、今日から一歩ずつ歩み始めましょう！
