犬が急に水を飲まなくなったり、反対に飲みすぎたりすると心配になりますよね。飲水量は食事内容・気温・運動量で変わりますが、体調不良のサインとして変化することもあります。
ぐったりしている、嘔吐や下痢を繰り返す、呼吸が速い、ふらつく、尿が出ない、けいれんや意識の変化がある場合は、飲水量を測り続けるより先に動物病院へ連絡してください。中毒や熱中症が疑われる場合も同様です。
大切な注意:水をたくさん飲む犬に対して、自己判断で水を制限してはいけません。脱水や電解質異常を悪化させるおそれがあります。獣医師から個別に指示された場合だけ、その指示に従ってください。
まず確認したい「すぐに受診したいサイン」
- 水を飲まないうえに、元気や食欲がない
- 嘔吐・下痢を繰り返す、または水を飲んでも吐く
- 歯ぐきが乾く、目が落ちくぼむ、急に体重が減る
- 呼吸が速い、ふらつく、けいれん、意識がぼんやりする
- 尿が出ない、排尿時に痛がる、血尿がある
- 誤食・中毒や熱中症の可能性がある
子犬、シニア犬、持病がある犬は状態が変化しやすいため、迷ったら早めにかかりつけの動物病院へ相談しましょう。

犬が水を飲まない主な理由
食事や環境による変化
- ウェットフードや手作り食など、食事から多くの水分を取っている
- 気温が低い、運動量が少ない
- 器の場所・材質・におい、周囲の騒音などが気になる
- 水が古い、温度や味がいつもと違う
体調不良や痛み
口内炎、歯周病、歯の痛み、吐き気、発熱、強いだるさなどがあると、飲みたくても飲めないことがあります。慢性腎臓病では一般に「水を多く飲み、尿が増える」変化がみられますが、吐き気や全身状態の悪化が重なると飲水が減る場合もあります。飲水量だけで病気を決めつけず、全身状態と一緒に判断することが重要です。
犬が水を飲みすぎる主な理由
一時的に増えるケース
- 暑い日や運動後
- ドライフードや塩分の多いものを食べた後
- 暖房・冷房で室内が乾燥している
- 一部の薬を使用している
病気が関係するケース
飲水量と尿量の増加は、慢性腎臓病、糖尿病、クッシング症候群、子宮蓄膿症、肝臓病、高カルシウム血症などでみられることがあります。アジソン病などでも飲水の変化が起こる場合がありますが、症状だけでは診断できません。急な変化や数日続く変化は動物病院で相談してください。
飲水量の目安と正しい測り方
一般に、1日の飲水量が体重1kgあたり100mLを超える状態は「多飲」の目安の一つです。ただし、これは診断基準ではありません。食事に含まれる水分、気温、運動、薬、こぼした量、同居動物との共用などで数値は変わります。
例:体重5kgの犬なら、500mLを超える状態が続くときは相談の目安になります。1回の量ではなく、できれば24時間の合計を測りましょう。
24時間の飲水量を測る手順
- 計量カップで、器に入れた水の量を記録する
- 水を足したら、その量も記録する
- 24時間後に残った水を量る
- 「入れた合計量-残った量」で、おおよその飲水量を求める
- 体重、食事、尿の回数、元気・食欲、嘔吐や下痢の有無も一緒に記録する
多頭飼いでは器を分ける、可能なら時間を区切って観察するなど、誰がどれだけ飲んだか分かる工夫をしてください。こぼした分もあるため、数日分の記録があると診察に役立ちます。

家庭でできる安全な工夫
- 新鮮な水を複数の場所に用意する
- 器を清潔にし、安定した浅めの器も試す
- 静かで落ち着いて飲める場所に置く
- 水の温度を少し変えて、好みを確認する
- 食事に水分を加える場合は、食事制限や持病について獣医師に確認する
スポーツドリンク、経口補水液、牛乳、味付けしたスープを自己判断で与えるのは避けましょう。糖分・塩分・脂肪・香辛料などが犬に適さないことがあります。また、無理に大量の水を口へ流し込むと誤嚥の危険があります。
受診時に伝えると役立つ情報
- いつから、どの程度変化したか
- 24時間の飲水量と犬の体重
- 尿の回数・量・色、排尿時の様子
- 食欲、体重、元気、嘔吐、下痢などの変化
- 食事内容、おやつ、服薬・サプリメント
- 誤食や中毒、暑い環境にいた可能性
便や尿から分かる日々の体調チェックは、犬のうんち・おしっこで分かる健康チェックも参考にしてください。
よくある質問
犬が半日、水を飲まなくても大丈夫ですか?
食事中の水分や気温によっては飲む回数が少ないこともあります。ただし、元気・食欲の低下、嘔吐、下痢、口の乾燥などがある場合や、子犬・シニア犬・持病がある犬は早めに動物病院へ相談してください。
水をたくさん飲むので器を下げてもよいですか?
自己判断で水を制限しないでください。病気が原因の場合、脱水や体調悪化を招くことがあります。量と尿の状態を記録し、動物病院に相談しましょう。
何日続いたら受診すべきですか?
明らかな急変や緊急サインがあれば日数を待たずに受診してください。元気でも、普段と違う飲水量が数日続く、体重1kgあたり100mLを超える状態が続く、尿量も増えている場合は相談をおすすめします。
まとめ
犬の飲水量は環境や食事で変わりますが、急な増減は病気のサインになることがあります。緊急症状を見逃さず、自己判断で水を制限しないことが大切です。24時間の飲水量と尿・食欲・元気の変化を記録し、気になる変化が続くときは獣医師に相談してください。