はじめに|「犬も夢を見る」って本当?
犬が寝ているときに、足をピクピク動かしたり、小さく声を出していたりする様子を見たことはありませんか?
「何か夢を見ているのかな?」と思う飼い主さんも多いはず。
実は、犬も人間と同じように“夢を見る”ことがわかっています。
本記事では、犬の夢の世界がどんなものなのか、そして「睡眠と行動」にどんな関係性があるのかを、科学的根拠も踏まえて詳しく解説していきます。
第1章|犬の睡眠のしくみを知ろう
■ 睡眠には「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」がある
犬の睡眠は人間と同様に、以下の2種類のサイクルを繰り返しています。
- レム睡眠(Rapid Eye Movement):脳は活動しており、夢を見ることがある
- ノンレム睡眠:脳も体も深く休んでいる状態
特にレム睡眠のときに夢を見るとされており、その間に「足をバタつかせる」「吠えるような声を出す」「口をクチャクチャ動かす」などの行動が見られることがあります。
■ 犬の睡眠時間とその内訳
犬の1日の平均睡眠時間は12〜14時間と言われています。
特に子犬や老犬は、18時間以上眠ることも。
- 成犬:12〜14時間
- 子犬:18〜20時間
- シニア犬:16〜18時間
この睡眠時間のうち、20〜25%がレム睡眠であると考えられており、この間に夢を見る可能性が高いのです。
第2章|犬はどんな夢を見るの?
■ 科学的に証明された「犬の夢」
アメリカのハーバード大学の研究では、犬は過去の経験を夢として再生している可能性が高いと報告されています。
つまり、夢の中で「お散歩に行った記憶」「飼い主と遊んだ時間」「他の犬と触れ合ったシーン」などを追体験しているのです。
■ 犬の行動から夢の内容を推測
夢を見ているとき、犬には以下のような行動が見られることがあります。
- 足をバタバタさせる(走っている夢?)
- 「ウ〜」「クゥン」と鳴く(感情が動いている証拠)
- しっぽを小さく振る(楽しい夢を見ている可能性)
これらは、脳が活発に動いており、夢の内容に反応して体が動いていると考えられます。
第3章|犬の夢と感情の関係
■ 犬の夢には「感情」がある?
人間の夢と同じように、犬も夢の中で「嬉しい」「怖い」といった感情を体験している可能性があります。
夢の中で嫌な体験を再現していると、寝ながら吠えたり、びくっと跳ねたりすることがあります。
■ ストレスが多い犬は悪夢を見る?
過去に虐待を受けていた犬や、日常生活で強いストレスを感じている犬は、夢の中でもその体験が再現されることがあります。
そのため、安定した生活環境や愛情ある関わりが、犬の睡眠の質を高めることにもつながります。
第4章|夢を見るときの行動と注意点
■ 眠っている犬には無理に触らない
夢を見ている最中の犬は、夢の内容に深く入り込んでいます。
そのため、急に触れるとびっくりして攻撃的になることも。
- 急に触らない
- ゆっくり声をかける程度にとどめる
を心がけましょう。
■ 発作と夢の違いに注意
まれに「てんかん」や「発作」と、夢を見ているときの動きが似ている場合があります。
夢の場合:
- 数秒〜数分で収まる
- 呼びかけに反応することがある
発作の場合:
- 意識がない
- よだれやけいれんを伴う
- 長く続く(数分以上)
不安な場合は、動画で様子を撮影して、動物病院で相談しましょう。
第5章|飼い主ができる「質の高い睡眠」サポート
■ 快適な寝床を用意する
- 犬の体に合ったベッドを選ぶ
- 柔らかすぎず、適度な支えがある素材
- 静かで安心できる場所に設置
■ 安心感のある環境作り
- 飼い主のにおいがするブランケットを使う
- 寝る前に優しく声をかける
- 日中はしっかり遊ばせる(適度な運動)
これらによって、深く質の高い眠り=良い夢の世界をサポートできます。
まとめ|夢を見る犬たちは、私たちの愛情を記憶している
犬の夢の中には、飼い主との思い出や感情がたくさん詰まっています。
眠っているときのしぐさを観察することで、見えない夢の中の世界をほんの少しのぞき見ることができます。
犬の夢の世界を大切にすることは、より深く、信頼関係を築く第一歩でもあるのです。